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音の海
音の海_b0068959_23104369.jpgこのあいだの日曜日は友人が知的障害を持った子供達と音楽を創る、ワークショップを何週間もしていて、その発表があるというので見に行ってきました。
根がひねくれているもので、こういった絶対的に正しそうなものってあんまり興味をそそられないのですが、友人のおさそいの文章が素敵だったので出掛けることに。
ワークショップのリーダー的存在大友良英さんと子供たちの取り合わせにも興味がありました。

ひょっとしてノイズ地獄?
いやいや。
結論から言うと、とても幸福感に満ちた美しい時間でした。

最初は大友さん達、大人が一曲演奏して子供たちの「演奏したい欲」を十分に刺激してからの全員での演奏。大友さんは「そのうち調子が出てくるから」とおっしゃっておられたのですが、いきなりの全開と集中力で、最後にはドラムを叩いていた永井君が舞台の中央で踊るような指揮を始めて(これが意外にもとても訓練されたヒップホップぽい動きで)爆発的に盛り上がる。もっと散漫なことになるんだろうなと思っていたのだけれど、とても面白かった。

これはちゃんとしたコンサートだ。しかもかなり上質の。こちらもしっかり聴かねばと思って聴いた、2部での大友さん達ミュージシャンと子供たちの語り合いのような音楽の時間は特に忘れがたく、ピアノの音を拾ってくるように弾く女の子とのトリオや、呼吸をするようにトランペットを鳴らし続ける橋本さんとのカルテットなど聴き応えのあるものばかり。

3部の催眠的なハンマービートを太鼓で叩き続ける男の子をベースに色んな音が絡みあう演奏も、ふらふら歩き続けながらなにかを歌い続ける少年も素晴らしかった。

大友さんのバンマスとしての存在の仕方やインプロゼーションの展開力はさすがで、子供たちの自由な音楽を導く手捌きと、見守る姿勢に惚れた。格好よすぎるぜ。

計3時間半もあったのだが、様々な仕掛けに満ちた構成であっという間にラスト。親御さん達も幾度かステージに上がり、少し恥らいながら掃除機を演奏したり!して素敵アイデアに溢れていた。一緒に演奏したい気持ちに。

とても不思議だったのはアンコールの色んな人が飛び入りしてのお決まりの狂乱状態みたいな演奏には、先程までの演奏には確かにあった魔法のようなものが働いていないように感じて、ついさっきまでステージで、観客席で、ホワイエでつくりあげられていた空間が、いかに精妙なバランスで成り立っていたのかがよく分かった。少しナイーブ過ぎる感想かもしれないけれど。

大友さんの日記はこちら。ワークショップについての読み応えのある記述があります。
by daaas | 2006-03-13 23:36 | 雑感
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