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みちのく一人旅(2日目)---青森県立美術館
みちのく一人旅(2日目)---青森県立美術館_b0068959_22474175.jpgで、肝心の青森県立美術館はハードな旅程で疲れた体にはこたえる、色々な意味でビッグな代物だった。

青空に浮かび上がるファサード。
このとき既に、建築を生業にしている者には不気味なユーモアが、そこはかとなく感じられる。白くて巨大なボリューム。構造と全く整合していない開口部。

みちのく一人旅(2日目)---青森県立美術館_b0068959_2255247.jpg白い部分は一見するとレンガ模様のタイルのようだが実際には手積みレンガのパネル、のカーテンウォール。を白く塗り角部や開口部では45度にカットして皮膜のように見せている。物凄く手の込んだ操作が行われている。




みちのく一人旅(2日目)---青森県立美術館_b0068959_2392125.jpg内部に入ると三内丸山遺跡の発掘現場からインスパイアされた三和土の床と土壁によるトレンチ状の空間と、そこに「歯並び悪く」覆いかぶさるホワイトキューブによって構成されたダイナミックな展示空間。





みちのく一人旅(2日目)---青森県立美術館_b0068959_22504649.jpg極限までコントロールされたニュートラルなホワイトキューブと、敷地から掘り出されたままで、コントロールされていないかのようにつくられた(そういう意味ではニュートラルな)トレンチ状の空間。





みちのく一人旅(2日目)---青森県立美術館_b0068959_23141269.jpgともかく巨大な美術館なので白い空間と土の空間が交互に立ち現れてくるのはアイスクリームとコーンのような関係で、気持ちをリフレッッシュさせてくれそうだ。






みちのく一人旅(2日目)---青森県立美術館_b0068959_23221697.jpg今回は2時間半余りかけて、美術館のバックスペースまで見せて頂けたのだが、地階から1階へと巡っている内に段々と展示室で見られた明快な構成は崩れ始め、「踏み絵のような」ディティールが立ち現れてきて、最後には疲労と困惑の末に呆然として美術館の外に放り出されたのだった。



みちのく一人旅(2日目)---青森県立美術館_b0068959_2323426.jpgなんだか変な夢を見た後のようにぼぉっとした我々をネオンサインが出迎える。
可愛い。








---------コンペ勝利からはや5年。いつ終わるとも知れぬ変更と工事に、雪深い青森に閉じ込められた現場担当者達はそれぞれの持ち場で静かに暴走を始めるのであった。。。
とかいうストーリーを妄想しちゃった。いやホントにコミュニティーホールの脱臼ポストモダンには唖然とさせられた。

とはいえ、オープン後はこの巨大な建物をこういう風に網羅的に体験することは無いだろうから、もっと理解しやすい顔だけを見せてくれるのだろう。

ただ、これだけの巨大プロジェクトでここまで攻めの姿勢を貫ける胆力は凄い。徹底的に既成概念を疑い、全ての部分において過剰にエネルギーが投下されている様子が伺え、同業者として大いに勇気付けられた。建築って面白いね。

その後も飲み屋で現場担当者を交えて喧々諤々。論議を呼ぶ代物だよ。
by daaas | 2005-09-15 00:02 | 建築探訪
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